「ぐるりのこと」私たち不幸せになります


一生の幸せなんて保障できないけれど、というか誰かの幸せどころか、自分の身ひとつ守れるか不安だけど、あなたの不幸せをシェアすることだけはここに誓おうと思います。一緒に不幸せになりましょう。

実質リリー・フランキー役のリリー・フランキー。こういうのも「ハマり役」というのでしょうか。そりゃーハマるだろって気もしますが。






■以下ネタばれを含みます









法廷画家という仕事を辞めるフラグがわんさかあるにもかかわらず、結局辞めないというオチがお気に入りです。汚い仕事だけど、結果が残る仕事じゃないけど、いいじゃん。自分にはまだそこで出来ること(例えば目を背けず、宅間守の顔を描くこと)があるじゃん。という職業感が好きです。本を通して感動を伝えるという「虚構」に耐えられなかった妻と、メディアという「虚構」の中で、慎ましくも生きていくことを決めた夫。わたくし、今後は、この映画くらいのテンションで(家庭・職場において)生きていこうと思います。

暗闇の中、砥ぎかけた米が放置されていたシーンと、その後ご飯が炊けるシーンの対比が好き。幸福を表す記号としてのご飯最強伝説。
あと、エンディングクレジットでトンカツ屋の名前がそのまま出てきた事にビックリしました。実在するのか……。