「戦前の少年犯罪」を読みました


最近(というほど最近の傾向でもありませんが)往年の名作映画のリメイクが盛んです。映画と同様に社会問題についても同じように50年前の作品がリメイクされることがあります。数千年前からリメイクされ続けている「古典的名作」もありますし。「子供の親殺し」等の少年犯罪はその顕著な例です。


とりあえず「○○があるのは世界で日本だけ」「昔の日本には○○するやつなんていなかった」となどという言説を真に受けるのは、慎重に慎重を重ねてからにしたいものです。


少年犯罪データベースは、日本語が読めるネット利用者なら絶対必見のサイトだと思います。社会実情データ図録は鉄板として……個人的に世界飛び地領土研究会なんかも読み物として好きですねー。


戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪


「9歳の男の子が隣の家の6歳の子を猟銃で射殺、理由は『お母さんが焼いたモチを食べられたから』」という昭和4年の事件から始まる、戦前日本のキレる子供たち、常識がない少年、性の乱れた少女、勉強しない大学生、ニート、ヒッキー、マザコンモンスターペアレンツの皆さんのお話。殺人・窃盗といった刑事事件だけでなく、社会風俗や教育論についても手広く扱われております。ふざけ、茶化しも多分に含まれておりますが、「国家の品格」を始めとする、現代日本を憂う一般書籍の多くよりは、よほど「マジメ」な本ではないでしょうか。